第16回:株式会社ユニコーン

「スポーツ×地域振興」への想いとゼルビアとの再会

パートナー様へのインタビューを通して、クラブとの取り組み事例の共有や各パートナー様の想いを感じていただき、より良いパートナーシップを築くための参考にしていただくインタビュー企画です。

今回のインタビューは、今シーズンから練習場として稼働している三輪緑山ベースと同じ三輪緑山地区でも事業を行っており、試合観戦のためスタジアムまでのバス運行などでもFC町田ゼルビアをサポートされております、株式会社ユニコーン様へのインタビューです。

インタビューはパートナーズシップの運営を行うPSI(プラスクラス・スポーツ・インキュベーション)がオンラインで行っています。

目次

それでは、最初にゼルビアさんのパートナーになったきっかけや背景、思いをお聞かせください。

20年ほど前に、前取締役会長の下川さんから「ゼルビアの理事をやらないか」とお誘いいただいたのがきっかけです。下川さんは中学時代の先輩で、地域のクラブチームで一緒にサッカーをしていました。お誘いいただいた当時は本業も忙しかったので「スポンサーとしてサポートさせてください」とお願いし、ゼルビアさんとのお付き合いが始まりました。

とても長いお付き合いなのですね。スポンサーになるにあたって矢沢さんの個人的な思いもあったのですか?

始めは先輩後輩の付き合いだったのですが、それが徐々に変わっていったところもあります。私の会社が三輪緑山でスポーツクラブを運営することになり、「地域が活性化しないと自分たちの本業もやっぱりダメだよね」という発想になってきたのは大きかったんだろうと思います。
スポーツとしては同じ分野でもありますし、関わっていくうちに想いも変化していったということですね。
ゼルビアが町田で活躍することで地域がより活性化し、同じスポーツという分野で本業にも良い影響があるだろうなと感じ始めたことが大きかったと思います。そこからコロナ禍になるまではずっとスポンサーとしてサポートさせていただいていました。
本当にいつもありがとうございます。

ありがとうございます。地域活性化の一翼になれたらという思いからだったのですね。

次にパートナーになってからのお話を伺えればと思うのですが、コロナ禍でスポンサーを離れる前にはどのような関わりだったのでしょうか。

それまではゴール裏に看板を出していました。うちとしても”ジップ”というブランドが30年ほどになったので、自分の会社を知ってもらうために一生懸命躍起になってという、創業当初の段階からは脱したかなと思っていたんです。広告宣伝としてあまりそこは積極的にしなくてもいいかなと。

ご支援を再開するにあたって、ユニコーンさんや矢沢さんの状況に変化があったのでしょうか。

ありましたね。2021年に、ゼルビアが三輪緑山地域に練習場を移転するという話が出たとき、うちはコロナ禍の影響もあり一度スポンサーを離れていたのですが、前代表取締役社長の大友さんから「地域の方とゼルビアの橋渡しになってくれないか」と言われたんです。
三輪緑山地域には地元をとても大切に思う方が多いので、この移転をきっかけに一緒に地域をより良くしていこうと伝えていく必要があると感じていました。そこで、うちが経営するスポーツクラブでゼルビアと自治会の皆さんとの話し合いの場を設けたんです。自治会の方々にもゼルビアを応援しようと思っていただくことができました。
実際に練習場を移転したとき、三輪緑山地域の方々に受け入れていただいていることを実感しました。ゼルビアも一緒に盛り上げようという気持ちで関わらせていただいていますが、そのきっかけを作ってくださったのは矢沢さんだと思っています。
もともと緑山でスポーツクラブを運営されていた企業さんが数年前に撤退してしまい、それからずっとあそこのビルだけが暗い状態だったんです。しかし、少し時間が経過し街の灯が消えてしまうと「人がたくさん来るのは良いことだったんだな」ということに、地域としても気付かれたのではないかなと思います。
そこでユニコーンさんが手を挙げられて、改めてスポーツクラブを運営されることになったんですよね。
そうですね。若い人たちは都内の方に住んでしまうので、このままいけば駅からも遠いし陸の孤島になってしまうリスクがあると考えました。そこでうちがもう一度経営をやるようになった時には、まるで救世主みたいに扱ってもらえて、みんなでジップの会員になろうという運動が起こったくらいでした。

そうなんですね!この地域において非常に重要な役割ですね。

そうすると今度は急に「撤退しないでほしい」「運営が厳しくなったら自治会が応援するから言ってくれ」と地元の方に言われて、地域の皆さんから応援してもらえるような関係性になりました。だから僕らも地域に還元したいんです。そんな時にゼルビアさんの練習場移転のお話をいただきました。もう3,4年前になりますかね。
そうですね。練習場移転の話はそれくらい前からだと伺っています。
その話はうちが出店して2年後くらいのことです。自治会も、「人が集まって盛り上がると街も活性化するから来てもらったほうがいいね」という雰囲気になっていたので、ものすごく良いタイミングだったと思います。大友さんから話をいただいて、じゃあ自治会から話を持っていった方がいいですよと言って、うちのスポーツクラブで顔合わせをしたんです。
ゼルビアと矢沢さんと自治会の皆さんで、ですね。

地域の方とゼルビアをつなぐ役割を果たされていたんですね。

結果的にそうなりましたかね。今は地域がまとまってみんなでゼルビアを応援しようという機運になっています。私はやっぱり練習場移転のタイミングがよかったんじゃないかと思いましたね。
練習場を移転した当時も今も、本当に地域の方からの期待や応援を肌で感じています。矢沢さんからもお話し頂きましたが、ゼルビアが試合の結果だけでなくパートナー企業様との協働やホームタウン活動などを通じて、地域を愛し地域から愛される存在でなければいけないなと感じました。

2022年に再度スポンサーになられて、どんな活動を行われているのでしょうか。

三好さんからお声掛けいただいたのがきっかけで、三輪緑山応援バスツアーへの協賛をさせていただいています。
私はゼルビアアカデミー出身で高校時代も町田で過ごしたこともあり、以前ゼルビアをご支援いただいた企業様にまた応援していただきたいという思いがあったんです。矢沢さんから「地域のためにできることをしたい」という思いを伺って、ちょうど今年、試合観戦に行くバスを三輪緑山地域から出していたので、バスの運行などでご支援いただけないかというご提案をしました。

具体的にはどのようなお取り組みをされているのでしょうか。

三輪緑山地域から試合会場の町田GIONスタジアムまでの直行バスを運行しています。練習場ができてからは地域の方にもゼルビアに関心を持っていただけるようになったので、お申し込みも増えてきています。
最初は利用者が料金を負担していたのですが、チケット代に加えてバス代の負担となると、いくら便利でも大変だよなと。じゃあいっそのこと無料でやってみようと思い切ってやってみたところ、それなりに人も集まりました。その時に私も初めて乗ってみて、これは便利だと感じたのですが、そう簡単にできるものでもなくて、企業の持ち出しやファンの方の負担で続けていくのはしんどいと思っていました。
その後ゼルビアの方とお話をした際にすぐに「うちがやりますよ」とは言わなかったんです。ですが、スポンサー料を払うにあたって、例えば地域の散策路やグラウンドの整備費に回してもらってもいいし、何か有効に使えるのであればうちはもう一度スポンサーをやりますという話をしたんですよね。その時に今回のバスのお話を持ってきてくれたので、これは喜ばれるから二つ返事でいいよとお答えしました。
矢沢さんの思いとして、自社の利益よりも地域を盛り上げることを第一に考えてくださっていることが本当に伝わってきました。ユニコーンさんにサポートいただいたことで以前よりもバスの利用者が増えていて、良い効果を感じています。
これで地域の方に喜んでもらえるなら安いもんだなと思います。できればもっと人気が出てきて、抽選や先着制になるとさらに嬉しいですね。
先ほど少し触れていただきましたが、バスツアーに加えて練習場周辺の整備もユニコーンさんにご協力いただきました。練習場横の植栽部分を、ユニコーンの皆さんとゼルビアスタッフが一緒に整備させていただいたのですが、交流の場ともなりとても良かったです。
すごく綺麗になりましたよね。これからも継続して整備したいです。続けていくことで地域の方からの注目度も上がると思いますし、うちの社員も地域に貢献できているという実感が持てると思います。町田以外の事業所でも、同様の取り組みができないかと新たな取り組みを検討する良い循環になってきていますし、何より社員が楽しんでいるようなのでありがたいですね。

最後の質問になりますが、今後クラブと一緒に行っていきたいことをお聞かせください。

具体的なことというのはまだなく、これから一緒になって考えていくことになると思っています。 ただ、ゼルビアさんが三輪緑山に来てくれたことによって街に活気が溢れているなと感じます。再度スポンサーのお話をいただいたとき、「地域の方や事業者の方により良い影響を与えたい」と思っていたので、今それが少しずつ実現できている気がします。
スポーツクラブとホームタウンの連携活動というのはこれまでも聞くことがありましたが、なんとなく別の場所の話としか思っていなかったんです。それが、ゼルビアさんが三輪緑山に来てくれたおかげでパートナーのご縁をいただいて、これはうまく生かしたいなと強く感じています。サッカーに限らず地域も生き物なので、地域の人たちの影響でゼルビアが良くなり、本業にも巡り巡ってくる気がしますね。

それを矢沢さんが実感されているということは、地域の方々も実感されているところでもあるはずですよね。非常に良い状態だなと思いました。

三輪緑山にゼルビアさんという起爆剤が来てくれたおかげで、地域の活性化がより進むと思っています。これを参考に他の場所でもアイデアを絞りながらお互い良くなっていくといいですね。5年10年先に今を振り返ってみると懐かしく思ったりするだろうなと思うので、今は苦労している感覚はないです。僕らとしては、今新しいことを少しずつやっていくこと自体がワクワクすることなので。
文部科学省では「スポーツ立国戦略」として「人(する・観る・支える)の重視」を掲げていますが、このうち「観る」「支える」については、私たちの会社でもまだまだだと感じています。個の時代と言われる現代は、なかなか地域のつながりをつくりにくいこともありますが、”ゼルビアの応援”という部分で世代を越えたつながりを築いていけたらなと思います。ゼルビアさんと新しいことに挑戦していくのはワクワクしますね。
ユニコーンさんとタッグを組ませていただいて、一緒に三輪緑山地域を盛り上げていけたらいいなと思います。そのためにも地域の方も巻き込んで、緑山がよりよくなるようなプロモーションを実践したいですね。スタジアム行きのバスも、毎試合満員になるといいなと思います。地域の方にゼルビアを応援していただいて、ゼルビアも地域の方のために頑張れるような関係性になれたら嬉しいですね。

ありがとうございます。 ユニコーンさんとともに、緑山地域から町田全体を盛り上げていくことが楽しみですね。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!

社名:株式会社ユニコーン

カテゴリー:オフィシャルクラブパートナー

業種:スポーツ・介護事業

代表取締役社長:矢沢直樹

公式サイト:https://sports-zip.com/

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